お菓子や料理の凝固剤として使われるゼラチンと寒天、それぞれどんな特徴があるのかご存知ですか?
ここではそれぞれの特徴と、簡単にできるデザートの作り方を紹介させていただきます。
結論 成分や使い方、食感など違いはたくさん!
同じ凝固剤のゼラチンと寒天ですが違いはたくさんあります。
まずはそれぞれの特徴を解説していきます。
順番にみていきましょう。
ゼラチンの特徴
ゼラチンは動物(牛や豚、鯨やウサギなど)の骨や皮からできています。
コラーゲンというたんぱく質の分解物を乾燥させたものがゼラチンです。
種類は板ゼラチン、粒ゼラチン、粉ゼラチンなどがあります。
使う時は水でふやかし40~50度の湯せんや温かい液体と混ぜると液状になり、冷やすとゲル状になります。
冷やした後再び温めると溶けてしまうのですが、溶ける温度が寒天と比べて低い為、口溶けの良いゼリーが作れるのが特徴です。
ゼラチンは沸騰させると固まりにくくなり、独特の臭みが出てしまうので注意しましょう。
そのほかにも生のパイナップルやキウイフルーツなどたんぱく質分解酵素が含まれる食品を使うと固まらなくなってしまうので、缶詰や加熱したものを使うようにしましょう。
寒天の特徴
寒天は海藻の紅草類であるテングサやヒラクサなどからできています。
熱水で炭水化物(寒天質)を取り出して、凍らせて乾燥させたものが寒天です。
種類は角寒天、細(糸)寒天、粉末寒天、フレーク寒天などがあります。
使う時は水でふやかし80℃以上で液状になり、冷やすとゲル状になります。
冷やした後の固まる力はゼラチンの10倍近く、硬い弾力性をもったゼリーになります。
食感はもろく、つるんとした喉ごしです。
寒天は沸騰させてしっかり溶かさないと固まりにくいです。
沸騰した後2分ほど弱火にかけしっかり煮溶かして使いましょう。
煮溶かす時、水に不純物が多く含まれると寒天が溶けにくいです。
牛乳やジュースを使う際はまず水と寒天だけをしっかり煮溶かしてから合わせるようにしましょう。
そのほかにも酸にかなり弱いので柑橘類など酸味の強いものと一緒に煮ると固まりにくくなります。
酸味の強いものを使う場合、失敗を避ける為には少し手間はかかりますが水で煮溶かした寒天液を50℃くらいまで冷ましてから混ぜ合わせるようにしましょう。
ゼラチン、寒天を使った簡単・スイーツレシピ2選
ここからはゼラチンと寒天を使った簡単レシピを紹介していきます。
- 【ゼラチン】簡単紅茶ゼリー
- 【寒天】寒天スイーツといえばこれ!牛乳かんの作り方
【ゼラチン】紅茶ゼリーは、市販の紅茶を使えばとても簡単に作ることができます。
【寒天】牛乳かんは、寒天は常温で固まり始めるのでゼラチンスイーツより少しだけ難易度が上がるかもしれません。
ですが手順をしっかり確認しながら作れば大丈夫。
おいしい牛乳かんが作れますよ。
【ゼラチン】簡単紅茶ゼリーの作り方
材料 | 分量 |
水 | 30cc |
粉ゼラチン | 5g(一袋) |
市販の紅茶 | 350㏄ |
ゼラチンは常温では固まらないので失敗しにくく、お手軽に挑戦できます。
- 1.粉ゼラチンと水を合わせてすぐかき混ぜ、5分ほどふやかす。
- 2.紅茶を50℃くらいまで温めふやかしたゼラチンを加え、ゼラチンが溶けるまでよく混ぜる。
- 3.ゼリー液を容器に流し入れる。
- 表面の気泡は楊枝でつぶすかスプーンで掬い取る。
- 4.冷蔵庫で3時間〜冷やし、固まったら完成です。
- 5.コツ
- ・紅茶は温めすぎてしまったら50℃くらいまで冷ましてからゼラチンを加えましょう。
【寒天】寒天スイーツといえばこれ!牛乳かんの作り方
材料 | 分量 |
粉末寒天 | 4g(1袋) |
水 | 200cc |
牛乳 | 400㏄ |
砂糖 | 60g(お好みで調整) |
寒天はゼラチンと比べて気をつけないといけないことが多いので、少し面倒かもしれませんが手順をしっかり確認しながら作ると失敗を防げます。
- 1.牛乳は50℃くらいまで温めておく。
- 2.水と粉末寒天を鍋に入れ、ヘラで混ぜながら火にかける。
- 3.沸騰したら弱火で2分、しっかり寒天を溶かす。
- 4.寒天が溶けたらすぐに砂糖を加え、よく混ぜる。
- 5.寒天液が50℃くらいまで冷めたら牛乳を4〜5回に分けて加え、よく混ぜ合わせる。
- 6.容器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固まったら完成です。
- 常温でも固まりますが、冷やすとより一層美味しくなりますよ。
- 7.コツ
- 牛乳は50℃くらいまで温めておき、数回に分けて加えることで寒天としっかり混ぜることができます。
- 牛乳を少し加え、しっかり混ざったらまた少し牛乳を加えて・・・と繰り返しましょう。
まとめ
まとめると、
ゼラチン | 寒天 | |
原料 | 牛、豚、鯨、ウサギなどの皮や骨 | 海藻の紅草類であるテングサやヒラクサ |
主成分 | ほとんどたんぱく質 | ほとんど炭水化物(食物繊維) |
製品の形状 | 粉状、粒状、板状 | 角状、細(糸)状、粉末状、フレーク状 |
溶かすときのコツ | 沸騰させない | 沸騰させる |
食感 | 柔らかく、口溶けが良い | もろく、つるんとした喉ごし |
溶解温度(℃) | 40~50 | 80~100 |
ゲル化温度 | 10℃以下(冷蔵) | 30~40℃(常温) |
注意点 | 生のパイナップルやキウイフルーツを使用しない | 水と寒天だけでしっかり煮溶かしてからほかの材料を加える 酸と一緒に加熱しない |
こんな感じです。
簡単に作れるゼラチン・寒天スイーツ、皆さんも作ってみませんか?
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
参考文献
河田晶子.新版 お菓子「こつ」の科学.2013
服部大ほか.「製菓衛生師全書」和洋菓子とパンのすべて.1999
丸山務ほか28名.新調理師養成教育全書 必修編 第2巻食品と栄養の特性.2014
https://shop.kantenpp.co.jp/html/page11.html(参考:かんてんぱぱオンラインショップ.寒天料理について)
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